先日、深夜放送で映画『切腹』を見ました。最初、見る気はありませんでしが、面白すぎて、ドンドン引き込まれ結局最後まで見てしまいました。代官様役の三国連太郎は思いきり悪党で、丹波哲郎はしっかり男前。可憐でどこまでも美しい女優は20歳前の岩下志麻でした。復讐がテーマですが、全編わかりやすいなーといった感じで話は進んでいきます。切腹は事情があって竹の刀でやってしまうというエグさでその場面もシッカリ描写されていました。カンヌ映画祭ではそのシーンに卒倒する女性もいたようです。よく上映禁止にならんなあというぐらいド迫力がありました。文庫本での仲代の後日談によるとチャンバラシーンはしっかりと刀は【真剣(本物)】が使われていたそうです。『中学1年の時、空襲を経験した私は親戚の女の子と手をつないで逃げて、逃げおおせたと思ったらその子の腕だけを持っていました。生き死にの場面では無意識にそういうものが、蘇ってくるのでしょう。本当の迫力のある怒りを表現する為には、真剣を使います。』と語っています。改めて日本映画の黄金時代の凄さを感じました。まだまだ仲代の名作はあるので是非探して楽しみたいと思います。皆様も是非どうぞ!
谷 憲一郎(院 長) 2017年9月23日