堀内ゴンタちゃん(仮名)はオーナー様とよく山に散策に行っています。今回も山で顔にダニがついたとのことで来院されました。小さいけれどしっかりとフタトゲチマダニが目尻に食いつていました。(写真参考 こいつです。)ダニは食いつくとセメント様物質を唾液腺から分泌して、その後に抗凝固物質を皮下に注入して吸血しやすくするようです。フタトゲチマダニは吸血後、4日目で一気に血を吸って膨大するそうです。マダニ媒介性の感染症はワクチンが開発されていないのでマダニに咬まれないことが予防となります。マダニは数年間、草木の葉の裏側で何も食べずに生存することが可能で動物につくチャンスをうかがい、第1脚にあるセンサーで二酸化炭素を感知してこの足を高く挙げて動物の体表に乗り移るらしい。数億年前から地球にいるようで進化を繰り返しているので人間が対抗できるものでもないようです。ちなみに媒介する病気の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は現在でも対症療法しか治療法が無いようです。フィラリアも怖いけど今の時代はノミとマダニかな。
獣医師日誌 2023年8月4日